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漫画とアニメとゲームがごちゃまぜになっている、ヲタ日記です。 腐発言もありますが、R18な内容でない限り、ワンクッションを置いたりはしていませんので、ご注意ください。
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皆様こんにちはです、一条です。

久しぶりに作品投下するか、今週号の感想書こうか迷ったのですが、とりあえず作品のせておきます。
感想はですね、えぇ、冷静に叫べる気がしない(苦笑)
拳修過去編が1stインパクト、現世での再会が2ndインパクト、拳西さんが九番隊復帰で69主従!が3rdインパクト・・・そして今週・・・!!いや、修兵出てないし拳西さんも出てないけど、いろいろ滾った・・・!!!
若一心が、思っていた以上に好みのタイプでござったYO!

あと、三席ひっつんんんんんん!!!!!

・・・・えと、うん。
やっぱり冷静になれなそうなので、ひとまず作品のっけて、恒例の病院行ってきます★
本誌感想は、夜にでも~★


去年の10月に前編だけのっけていた、拳仔猫修+黒崎親子+コン(後編)です。
えぇと、拳西さんは出てきてませんorz
あと、頑張れ、一護!!

続きを読む、からどうぞです~。


■■■■■■■■■■■


夜です。何か急に寒い。
一体冬物はいつになったらしまえるのかorz
それはさておき、感想です~★

先週の吃驚展開から一週間。
今週は色々萌えました(笑)

まず、若一心!!!え、えぇぇぇ、十番隊!?
ちょっ、じゃあ、ひっつんと乱菊さん、一護のことよく知って・・?
十番隊と言えば、拳西さん達がいた過去編の時には、隊長副隊長とも空位だったはずですが、乱菊さんが副隊長で、一心が隊長の時代があったとか・・!!素敵すぎる!!!
おまけに、三席がひっつんだとぉぉぉぉ!!!
ちなみに、若かりし一心さんは、激烈好みです。
ガタイがいい人は、やっぱり格好良い~vvv

んで、乱菊さんと一心さんの夫婦漫才っぽいやりとりに、結構萌えました。
この時代ももちろん、乱菊さんはギンのことを思っているに違いないんでしょうが、なんかそういう気持ちも織り込み済みで、あぁやってふるまえる乱菊さん・・・姉御ぉぉっ!!(ちなみに、この前、斬魄刀編のDVD見たついでに、修兵と乱菊さんの2人旅の回もぬかりなく見ました(笑)あれ、修←日っぽいところもあって、私には大変美味しすぎる回なのでござった。あぁ、もう一回見よう)

ひっつんはですね、もう反則級に格好可愛い!!
たかいたかーいとか、どうしたら・・・!!!(悶)
あと「ごちそうさまでしたよ!」の台詞が、こなくそぉぉぉ!!ってくらい萌えた。
げふー、じゃないっての、げふー、じゃ!!(悶)

なのに、その後のマジ台詞が、吃驚するくらい大人で悟ってて、色々ぐっと来てしまいました。
大切だから、足手まといにならないようについていかない。
心配だけれど、待つしかない。
この後、隊長になるとき、ひっつん、どんな気持ちで十番隊を背負ったんだろうな、と思います。
だからこそ、東仙隊長が去って、九番隊を守ろうとしてた修兵のことが、なんかしら気になっていたら良い・・!!

そして、いらっしゃいましたな、藍染隊長!!
そして、ギン&東仙さん。
この頃は、もうみんな隊長みたいですね。
となると、これ、いつくらいの話なんだろう。
コミックス読み返しながら、ちゃんと年表作ったら分かるかな。
てか、一度ちゃんと年表とか作らないと、今後の創作にも差し支えそうなので、拳西さんと修兵のものだけでも、一度ちゃんと作ってみた方がよいのかも知れないなぁ、なんて思ったり。ふむ。


そして、他の作品~★

ワンピ:表紙めくって早々、ゾロの後ろにローが立っているコマを発見して歓喜!CP的な意味ではなくて、この2人は妙に気が合う仲良しさん希望。海賊無双2は買わねばなるまい!そして最優先でプレイせねばなるまいよ!!他のソフトはもう数ヶ月積む覚悟です。だって、ローとゾロをやり込まなければならぬ、それが絶対法則!!(笑)あと、髭ゾロが可愛かったvv

銀魂:お妙さん最強伝説。あ、最凶か(笑)

ベルゼ:えーと、あの・・・お胸の飾りはなぁに?(笑)引き続き、神崎格好良いのターン!!虎辰も好きですが実は神崎×男鹿も大好きでーすーよー。

HUNGRY~:オニイチャンガチデコワイ(震)次号から新章突入とのことで、引き続き楽しみですvvどんな風にストーリー展開していくんだろう。

ころせんせー:表紙で虹を描いちゃうころせんせー!!囁き戦術は、心砕けるわ(笑)あと、サインがいちいち可愛すぎて、私ならば野球どころではない(笑)あの状態で美味しくドリンクタイムできるのは、さすがとしか言いようがありませんでした。そして、理事長様降臨・・!!どう出る、ころせんせー!!来週ドキドキ!!

斉木さん:コロコロ鉛筆(笑)緑間か(笑)てか、緑間くんのコロコロ鉛筆も、あんな感じで答えを教えてくれる何かがついてるんじゃないかと思うと、それはそれで面白い(笑)

黒バス:赤司様が期待と予想を裏切らないブルジョワっぷりでござりました。あと、黒子くんと青峰くんがぶつかってるコマは、いさぎよく悶えた★

ごはん漫画:もーちょっと、漫画ならではの斬新な料理がでてこないかなーと、待ってはみている。正直、今週も含めて、今まで登場してきた料理には「おおー!!」ってなれない。それとも、あえてそうしてるのかしらん?EROリアクション漫画としては秀逸だと思います、うん。











■ 獅子と苺の争奪戦’(後編)
 
その頃、空座町の護り人にして黒崎家の長男、黒崎一護は、じりじりと上がってきた屋外の気温にため息をつきながら、帰路を急いでいた。

「ったくよぉ……このクソ暑い中、わざわざ学校まで出向いたってのに、肝心の教えるほうが夏バテで補習取りやめって、一体どういうことだっつーの……」

好青年の一護にしては珍しい愚痴のオンパレードだが、しかし、これもいたしかたない。
「こんなことなら、補習なんて端からさぼって、尸魂界に行っちまえばよかった」と本人が呟いているように、そもそも一護は今日、尸魂界に行く予定だったらしい。
それが、急きょ組まれた補習授業のため、その計画は白紙となってしまったのである。バイトをフルに組み入れてしまった夏休み故、ならば他の日に、ともいかず……しかも、蓋を開けてみれば補習は中止と来たわけだから、一護の嘆きももっともなこと。
それというのも、これである。

「あー……修兵さんに会いてぇなぁ……」

かの九番隊副隊長に、絶賛片想い中の一護。
可能なら、他の連中と比して少しでも親密な間柄になりたいのに、彼の人は遠い尸魂界。その距離がただでさえ一護の思いを駆り立てているのに、つい最近聞いたばかりのある言葉が、更に若き魂を焦らす。

「もう、小さくなくなっちまったのかなぁ……」

一体何が起きたものか、すらりとした美人の副隊長が、自分の膝くらいの背の幼子に変化したのは、数ヶ月は前のこと。すっかり平和になった現世と尸魂界であったし、副隊長が一人幼子になったくらいでは、業務上の大きな混乱はないのだと聞くが、それでも原因の究明は必須。主に十二番隊が事態の解明に努めていたはずだが、それがなにか進展したのかも知れない。

「ぬー……もーちょっと、あのまんまでいて欲しいんだけどなぁ、オレとしては……」

頭の中に、ぽわんと浮かぶ小さな九番隊副隊長。
その当時の生活環境によってそうなったものか、大層華奢で小さい身体は、本来の守護者―――九番隊隊長―――でなくとも、簡単に抱き上げることが出来るほど軽かった。くりくりとした丸い瞳の色は、大人の時と同じ紫黒。それがあどけなく笑むときの純粋な光も、自分を「一護にぃちゃ」と呼ぶ声も、もう何もかもが可愛らしかった。妹2人の子守経験が生き、初見から懐いてもらえたため、抱っこもおんぶも肩車もし放題。
いつもなら過接触とされる状況も、相手が幼子とあればオフリミット。ぷにぷにの頬はつっつき放題、さらさらの髪は撫で放題。そんな嬉しい接触も含め、もう少しだけ、あの小さな姿の九番隊副隊長と時間を過ごしたいというのが、一護の本音だった。
しかし、事態は変化したと言うことなのだろう。ただそれにしては「途轍もないのだ」という表現が、一護には引っかかる。

「途轍もないって、何が途轍もないんだか………」

ちなみに、一護にその情報をもたらしたのは、ルキアである。十三番隊副隊長の任務のついでにと立ち寄ったルキアは、しかし詳しい経過は一切語らず、「あれはまさに、途轍もない……」という言葉だけを残して尸魂界へと帰って行ったのである。
結局、何がどう途轍もないのかを教えてはくれなかったが、一見すればすべてが了解できるのだとか。
これは、是が非でも一度、会わねばなるまい。
だからこその今日だったわけである。一護の悲嘆は、いかばかりであっただろう。
しかし、幸い補習はまたの日にということになり、昼を迎えるよりも遥か前に、一護たち補習組は、無事に教室から解放された。そして、折角だから遊んで行こうぜという級友たちの誘いを断り、現在の帰路。

「今から行っても、時間は十分あるよな」

これから家に鞄を置いて支度をして、浦原商店へ行って尸魂界に道をつなげてもらって……諸々加算をしても、十分に九番隊隊舎にとどまっていられるだけの時間は確保できる。
しかし、そうは言いつつも足は急ぐ。自宅が見える頃には、自然とかけ足にまでなっていた一護は、
「ただいまー、おい親父、オレはこれから尸魂界に行くから昼飯も夕飯もいら………」
玄関のドアを開けて靴を脱ぎ、リビングの扉を開けるまでに一気にそう言って―――目を剥いた。
妹たち2人は、林間学校。なにやら美味なる香りが漂っていると言うことは、父である一心が台所で昼食の用意をしているのだろう。
では、目の前の床でもみ合っている2人―――否、2体、否々………結局……何だ?

「うりゃー!かぁくごしろーぉー、しゅーぅへー!」
ぷきゅぽんっ。
「みにゃーぅ!」
ぱたん。
「!?―――っっっっっっなぁぁぁぁぁぁにしてんだ、てめぇーーーーーっっっっっ!!!」

とりあえず、コンを目一杯蹴り飛ばす。
目の前の光景を分析し、一護の出した結論はそれであったようで。
サッカー部の助っ人としては申し分ない、華麗な右足のシュートを目的の対象物へと見舞った一護は、最後まで力緩めず、ライオンのぬいぐるみ―――つまり、コンを部屋の壁へとたたき込んだ。
途端に、「ぷぎぇぅ!」という音がして、ぬいぐるみの口から緑色の玉が飛び出していく。同時に、一護も「ふぅー……」と長く息を吐き出した。次いで、床で仰向けに転がっている子どもへ目を遣る。

「―――……」

子どもは、何が起きたのか、全く把握出来ていないらしい。大きな目を、ぱちくりとさせている。ぴくく、と僅かに動き続けるは猫の耳。更に、床とお尻でサンドされた尻尾は、いささか窮屈そうな動きでフローリングを撫でている。
仔猫にして―――修兵。
改めてそれを認識した刹那、一護の心拍数は、すさまじい勢いで急上昇をはじめた。
途轍もない―――確かに、途轍もない位可愛い…!

「み……ぁ?」

一方の仔猫は困惑顔である。先程まで、自分に覆い被さっていたコンが、ものすごい風―――言わずもがな、一護の蹴りによって生まれたものだ―――が吹いた瞬間、いなくなってしまったのだ。そして、その姿を探す間もなく、見知らぬ誰かが、自分を覗き込んでいる。

「しゅっ、修、兵……さ……」
「ぅー………?」

荒い息、血走った眼、頬を伝う一筋の汗。元の顔は、割と柔和なはずなのだが、今の一護の表情は何というか……幼子を怯えさせるには十分で。

「ひ………きゅっ」

喉の奥で、奇妙に引きつった声を上げた修兵は、救いを求めてコンの姿を探した。すると、目の前の壁に、若干めり込むようにしてつぶれている何かがある。

「?………―――みきゃぁっ!?」

それが、さっきまで自分と一緒にプロレスごっこで遊んでくれていた相手だと分かった途端、修兵は悲鳴を上げて飛び起きた。そして、一護の側をすり抜けコンの貼りついている壁へ。

「ぃぁっ……みぃみゅっ!」

すると、修兵が到着したのと同時に、壁からぺしゃりとコンが落っこちてきた。否、正確に言えばそれはコンの義魂丸が抜け落ちた、ただのぬいぐるみ。故に、修兵がどんなに揺り起こそうとしても、先程のように動き出すはずもない。

「にゃぁ、にゃ!んゃぁ、ゃ!」

しかしながら、それが仔猫に理解できるわけもなく、修兵は幾度も幾度もぬいぐるみを揺さぶった。けれど相手は一向に反応を返してこない。その様子に、修兵はじわじわと不安になってきてしまったらしい。

「にゃ……ぁぅ、ぃぅ……みぁぁ」

心細げな声を上げた仔猫の瞳からは、見る間に涙が溢れ出てきた。丸い頬をぽろぽろと零れていくそれに、我を忘れていた一護もぎょっとする。
「えっ、な、ど、どうしたの……!?」と、上擦ったような声で問いつつ、修兵に手を伸ばす一護。しかし、涙一杯の幼い瞳に、きっと睨まれ、手はそのまま宙でストップ。その隙に、ぬいぐるみを抱えたまま、一護の側を走り抜けた修兵は、小さな足を一生懸命に動かして、台所へと向かっていく。
そこへ丁度、「んんー?どしたー?」と、一心が押っ取り刀で顔を出した。もっとも、一護が帰宅してからこの時点まで、まぁ一分弱の出来事であるから、押っ取り刀と言っても、一心に非はあるまい。

「お?どうした、修兵?あっちで、コンと遊んでたんじゃなかったのか?」
「みゃ!にゃ、にゃにゃ!……みぁぁぁぁぁ!」
「んーんー、どうしたどうした、なんで泣いてるんだぁ?ありゃ?それ、コンじゃねぇのか?それに―――」

少し離れた場所で、呆然と固まっているのは、間違いなく息子の一護ではないか。それに、向いの壁に出来ているのは、コンの形をした凹み。付近の床には、見覚えのある義魂丸。となれば………。

(はっはーん。一護のヤツめ……大方、何か盛大に勘違いして、コンを壁に蹴り込んだな?その弾みで、義魂丸がすっぽ抜けたってとこか………)

それにしても、一護もまだまだ子どもだなと、心中、一心は苦笑した。並の高校生に比べれば、遙かに多くの経験をしてきた一護は、そのせいか、年齢の割に妙に達観したところがある。滅多なことでは動じない、そんな一護が、こうも分かりやすく自分を失うということは―――よほど、あの美人にご執心らしい。
そうなってくると、自然、むくりと目を覚ます対抗心。息子にはまだまだ負けられないという思いは、全ての父親に共通のものなのだろうか。

(………ま、オレもガキっぽいのは変わらんか)

息子への対抗心抜きに、仔猫と仲良くなりたい思いは当然ある。だから、対抗心は、ある種のスパイス。ただし、結構効き目が強いわけで。
そうして手っ取り早く状況を察した一心は、ともかくも仔猫を泣き止ませねばと、足下で泣きじゃくる小さな身体にあわせて膝を折った。

「よしよし、よーし、ん、ん、大丈夫、大丈夫だ。よーしよし、おっかなかったなぁ……」
目線が合う高さで仔猫の頭を撫でてやると、大きな瞳が、悲しげに何かを訴えてくる。
「にゃっ、みゃ、ぃ……っく、にゃ、にゃぁぁ……」
「おー、おぅ。コンが動かなくなっちまったか?」
「ひにゃ、ぁぃ……」
ぐったりと垂れたぬいぐるみの手足に、仔猫の涙がぽとりと落ちる。相変わらず大洪水の瞳をさっとぬぐってやると、一心はにかりと笑って言った。
「だーいじょぶだ!オレに任せろ」
「ふぃぅぃ……?」
「あぁ。オレが治してやるよ。ちょっとコンを貸してみな」
「みにゃぁぃ……」
「よしよし。えーっと、アイツの義魂丸は……っと……お、あったあった。これをこうして―――」

そう言いながら、緑色のビー玉に似た義魂丸を、ぬいぐるみの口へ。軽く押し込むようにしてやると、すぽんと丸玉は吸い込まれ、ぬいぐるみが小刻みに振動を始めた。まるで、全身に血を通わせるかのような動きに、仔猫がこく、と息を呑む。
そして―――

「―――っっっっへぇぇぇぇ、一護ぉぉぉっっ!!てぇぇぇめめぇぇぇぇぇ!!!!!」
「みゃっ!みにゃぁぁぁぁぁ!!!」
「うぉぁぁーーー!!ちょっ、出る、でちゃぅぎゃぁぁ!」
「おっととぉ………」

なにやら、数十分前の光景が再演されたかのよう。
勢いよく起き上がったコンだったが、その途端、喜び一杯の修兵に抱きつかれ、そのまま全力抱擁。戻されたばかりの義魂丸が、またすっぽ抜けていきそうだ。
これまたまずいかと、一心が手を出しかけたが、

「まてっ、まてって、なぁ……!お、いーっ!」
「みっ!?……あ、あみゃぅ………」

必死のコンにぺしぺしと猫耳を叩かれ、今度は自力で我に返ったようだ。慌ててコンを解放して床に降ろしてやった仔猫であったが、しかし、耳と尾は再び、しょぼんと垂れてしまっていた。

「ふ、ふぎぇぇぇぇ……おっまえ、ホントに……いや、怒ってねぇよ。怒ってねぇから……な!」

また泣き出してしまいそうな仔猫の様子に、コンも慌ててフォロー。大袈裟なくらい元気よく立ち上がってみせると、仔猫のおでこをぺちぺちと叩いてやった。

「なっ!平気だろ?」
「ふぃぅ……にゃーぁぅぅ……」
「よしよし。心配かけちまったな。お、な、なんだよ、こら、くすぐってぇっての」
「みゃーぁ……ぁぁぁ」

そうなのだ。こうしてそっと抱き上げられ、甘えるように頬を擦り寄せられる分には、一向に構わないのである。感情のコントロールを失すると力の加減も分からなくなってしまう仔猫だが、それもまた、無邪気さの表出と言えばそうなのだろう。
すっかり笑顔を取り戻してくれた仔猫をみて、ホッと胸をなで下ろしたコンは、それでも身体に残る違和感に、心中、苦虫をかみつぶしていた。

(ぬー……一護のヤローめ。いきなり全力で蹴り込んで来やがって……!)

蹴られた箇所を軽くさすりながら、大体、今日は夏季講習とやらで、夕方まで帰ってこないんじゃなかったのかよと愚痴っていたところで………コンははたと思い出した。
いつだったか、ゲタ帽子―――つまり、喜助がぼそりと漏らした呟き。
『黒崎サンも不憫ですよねぇー……相手が六車サンじゃ、端から負けが決まってるようなもんっすもんねぇー』

(そうか、このちびっ子………)

知らず、にやぁぁっと、顔がにやけてしまう。
あれを聞いたその当時は、一体何を言ってるのかよく分からなかったのだが、当の拳西が、現世任務でこの家にやってきた時、ピンと来た。

(そーか、そーか……なぁるほーどねーぇ)

あの時、一護の部屋に窓から入ってきた九番隊隊長。その半歩後ろで、そっと控えていたのが、この小さな猫。

(いや、その本来の姿……ってやつだな)

そんな3人の関係は、5分もその場にいれば、手に取るように分かってしまうものだった。
拳西は修兵を離さず、修兵は拳西から離れず、一護は修兵を拳西から離そうと必死。だが、一護の試みは、ものの見事に成功せず、2人が部屋を去った後、1時間はベッドに突っ伏していたのを覚えている。
つまり一護は、―――惚れているわけだ、この仔猫に。
そして、この仔猫は今、自分にものすごく懐いている。となれば、その自分を派手に蹴り飛ばした一護の心証は恐らく……

「な、なぁ、え、と、その、オレ――……」
「ふー―――っっっ!!!」

………あ、やはり。
一護がそろりと近づいて来るなり、尾と耳の毛を一斉に逆立てた仔猫は、聞いたこともないような声で、相手を威嚇し始めた。
多分、自分と遊んでくれていた仲良しのコンをいじめた悪い人、とでも思っているのだろう。
今、一護に尾と耳があったら、それこそ先程の仔猫以上に垂れてしまっていたことだろうが、あいにく、コンにフォローする気持ちは皆無である。
「ありゃー、随分怒らせたなぁ、お前」と、にやにや笑っているところを見ると、一心も同様らしい。
「ほーらほら、修兵……んー?オレもいるし、コンも、もう大丈夫だから……ほーら、そんな恐い顔より、可愛い笑った顔が見たいなぁー」なんていいながら、ちゃっかり仔猫を抱き上げて、これ見よがしにスキンシップをとった一心は、

「んー?ほらぁー、可愛いお顔してみようかー?」
「みぅぅ……?にみゃぁ?」
「そうそう。おー、かーわいいなーぁ」
「にゃー!」
「丁度、飯もできたからなー。食べるか?」
「みぁっ!………みゃんみゃ!」
「おうおう、コンも一緒にな。いいだろ、お前も」
「もちろんだ!」

もともと、食事をもらいに二階から降りてきたのだから、当然、コンに否やはない。
唯一、否やを唱えたいであろう一護はといえば―――修兵からの拒絶がかなりこたえたのか、半泣き状態でその場に立ち尽くしている。
まるで、今にも世界が終わってしまいそうなほど、その表情は暗く落ち沈んでいた。

(おいおい……)

これが、尸魂界の並み居る隊長達と、同等に渡り合う死神代行かよ、と、思わず突っ込まずにはいられない。
と、同時に、少しばかり同情の念が湧き起こる。
なにせ、もともと勝ち目のない勝負なのだ。
拳西が修兵を離すことはないし、修兵が拳西から離れることもない。
だからこそ、せめて他の者達より親密な関係を持ちたいと願い、それが―――時々、とんでもない方向へと、一護を突っ走らせるのだろう。
そう、先程、じゃれあう自分たち2人を見て、自分が幼い仔猫に襲いかかっていると錯覚する位。

(ぬぅー………ぅ)

一宿一飯―― 一宿一飯どころではないが―――の恩。
何度か危ないところを助けてもらっている事に対する、恩返し。
あるいは―――まぁ、なんだかんだ言っても、一護が死神代行を務めているとき、その身体を与っているのは自分だから、一護は相棒と言えば、相棒で。
だから………

「なぁっ、修兵!」
「みぁぅ?んにゃー??」
「その、あのさ……えと……アイツ、一護のヤツさ、悪い奴じゃねぇから」
「うぅー?………にゃっ、ぁ」
「あぁ、えと、確かに、オレのこと蹴っ飛ばしたけど、悪気があったわけじゃなくて、その……それに、オレは何ともねぇし!な!」
「みー……?」
「おう!もっちろん!オレ様の方がアイツより強いからな!アイツは……オレの子分みたいなもんだ!」
「ふぁー………」
「だから、だからさ……アイツのこと、許してやって、ちょっとでいいから仲良くしてやってくれないか?オレの顔に免じてさ……!」
「みぅー………」

コンの必死の説得に、仔猫はほんの少し俯いた。多分、一生懸命考えているのだろう。そして、困ったような眼差しを、一心へと向ける。
仲良くしても大丈夫?
コンのこと、もういじめない?
そう問いかける幼い瞳と、息子の悄気っぷりに、

「おう。大丈夫だぞ。もしまたコンをいじめるようなら、そん時は、オレが拳骨してやる」
「みぁー……」
「ん、そうだな。オレからも頼むよ。一護と……オレの莫迦息子と、少しばかり、仲良くしてやってくれや」
「みー……みゃぃ!」
「お!オッケーか!ありがとうなー、本当に素直で可愛い子だなぁ、修兵は!」
そう言って、一心はぐりぐりと修兵に己の頬を擦り寄せた。
「みゃっ?きゃぅ、ぁにゃー!」

じょりじょりする、もみあげがくすぐったいのか、仔猫がすぐにきゃっきゃと可愛らしい声を上げる。
その隙に、ぽてぽてと一護のもとへ寄ったコンは「感謝しろよぅ、一護」と言いながら、お返しのパンチをぼふりと膝に見舞った。
意外としっかりしたその痛みに、「ってぇ……!」と我に返った一護は、いつの間にか自分の側まできていた一心と、その腕にだっこされている仔猫に、思わず身体を硬くした。コンや一心が修兵を説得していた間、ものの見事に放心していたせいで、今の状況が、全く把握出来ていないのである。

「みー……」
「えっ、あ……」

また、嫌われたらどうしよう。
大きな紫黒瞳に見つめられた瞬間、そんな気持ちがありありと表れた息子の顔。それに、やれやれと溜息をつきながら、「ほれ」と修兵を渡した一心は、
「お、おい、親父……!」と慌てる一護の頭に、ごすりと手刀を落とし、
「偉大な親父様とコンに、感謝しろよ」
そう言って、にやりと笑って見せた。そして、床で同じように、にやりと笑っているコンと眼を見合わせ、呵々大笑。

「な、なんだよ……」

呆然とする一護の前で、しばらく続いたその笑い声の中、「ふみー?」と鳴いた仔猫の手が、いつしか一護のシャツをしっかりと握りしめていた。



<了>


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