漫画とアニメとゲームがごちゃまぜになっている、ヲタ日記です。
腐発言もありますが、R18な内容でない限り、ワンクッションを置いたりはしていませんので、ご注意ください。
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皆様こんばんはです、一条です。
雨+寒くなってきて、夏の名残の冷凍庫のアイス整頓が、意外としんどいです(笑)
もーちょっと気温が下がって、炬燵に入りながら~というのも良いのですが、夏季限定のお味とかは、やっぱり今のうちに!ってことで、創作しながらもぐもぐ。
ってなことを、明日お供する友人にメールしたら「明日、ナンジャでもアイス食べるんでしょ!?」と。
・・・・・そういえばorz
アイスと言えば、さんじゅういちのアイスクリーム屋さん、すっかりハロウィン仕様になっていて、早いところ限定フレーバーでサンデー食べようと思いつつ、行く暇がない(笑)
秋葉原にあるのは把握しているものの、池袋にあったっけ・・・?
いずれにしても、明日はアイスとスイーツ三昧になりそうです。
気温、上がってくれると良いなぁ・・・。
さて、と。
追記から、日記タイトルのCP話です。
まだ前編で、後編は明日以降になります。
早めに全部書ききってしまいたいとは思っているのですが、一護に美味しいところもっていってもらうかどうかでちょっと悩み中です。今回は、勝者一心でもいいかな、と(笑)
というわけで、続きを読む、からどうぞ★
■ 獅子と苺の争奪戦
腐れ縁で繋がっている人物のもとに、思わぬ良縁が転がっていた、なんてエピソードは巷で結構よく聞くものである。たとえば、昔からの知り合いに呼びつけられて赴いた先で、良い伴侶を得ただとか、仕事上のパートナーを得て企業にこぎつけただとか……云々。
この日の黒崎一心も、まぁ大きく類すればそうだったのである。
彼にとっての腐れ縁―――もとい、浦原商店店主、浦原喜助。もとは護廷隊の十二番隊隊長で、技術開発局創設者にして初代局長であったこの男は、しかし一方、ワケあってこの現世での逗留を余儀なくされていた人物でもある。
そして、諸々の厄介事が何とか解消し、正式に技局局長へと復職―――ちなみに十二番隊の隊長については引続き彼の前任であるマユリが勤めている―――した喜助は、けれど現世の何が気に入ったのか、尸魂界での仕事をほとんど部下の阿近に任せ、ちょくちょく古巣へと足を運んでいる。
聞けば、尸魂界が嫌なのではなく、現世が面白い、なのだそうだ。
親友の夜一からして根無し草の生活を好むためか、この喜助もあっちへフラフラこっちへフラフラと、興味の赴くままに行動することを好むらしい。それに、現世駐在組の死神からすれば、現世に浦原がいることに助けられている点も多い。
そんなわけで、ジン太や雨の代理店長に代わり、浦原自身による不定期営業は、今も細々と続いている。
その浦原商店に、この日一心はふらりと立ち寄ったのである。
ちなみに訪問の目的は、完全なる暇つぶしだ。
日々、溺愛してやまない二人の娘は、林間学校のために不在。一方、厳しさというより、どうも不条理さが目立つ愛情を注いで育て上げた息子のほうは、万年サボり組の日常が災いして、今日は朝から夏期補習。
ついでに、家業の病院は休院日とくれば、そりゃ……ヒマである。というわけで、意気揚々とヒマをつぶすため、午前の早い時間から浦原に会いに来たというわけ。
主の在駐はすでにご存知らしく、すぐに店の引き戸を開けた一心は、
「よーぅ!いるだろー、浦原ー!」
「……はぁーぃ?ありゃー、一心さぁん?これはまたどーもぅ」
今日は、どうなさいましたぁ?
そう言って、おなじみの作務衣半纏姿の浦原がひょこりと顔を出す。
地下の部屋にこもっていなかったところを見ると、主もこちらと同じく昼行灯か?
これは丁度良いと思った一心、しかし、座敷に上がりこむなり浦原の後ろから、ひょこりと顔を出した人物には「んー?」と素っ頓狂な声を上げた。
「なんだぁ?お前また、珍しい義骸を作ったもんだなぁ……夜一といい、お前ら猫好きなのか?……いや、そりゃ義骸じゃねぇか。モッドソウルか?なんにしても、まーた総隊長あたりに睨まれるんじゃねぇのか?」
「え?いやいや、一心さん。これはアタシのしたことじゃないっすよぅ」
「あん?違うのか?」
「えぇ。この子は技局の部下が、ちょっとばかり悪さした結果でしてねぇ。姿こそこうですが、この子、ちゃんとした死神っすよ」
「なにぃ?死神だぁ?」
「えぇ」
まぁ、そう見えないことは百も承知っすけど?
そう言って、のんきに笑った浦原がこれまたのんきな口調で語るところによると、
「こうなっちゃうと解らないっすかねぇ?それでも、霊圧はそのままだし、注意深く見てみれば面影ありますよ……あ、解らないっすか。それじゃネタばらし。この子、六車サンの恋人っす。九番隊副隊長の檜佐木修兵クン」
「六車の……?あぁ、あの別嬪さんな。言われてみれば確かに霊圧に面影が……一番特徴的なアレ……ほら、69っていう刺青がねぇから、ぜんぜん気づかなかったが……へぇー、ちっこくなると可愛いじゃねぇか」
「……にゃ、ぅ?」
じぃ、と大きな猫目が一心を見つめる。
警戒心が強すぎるというわけではないのだろうが、拳西から何事かを教えこまれているらしい仔猫は、なかなか浦原の腕を離れようとしない。
ぴこん、と立てた猫耳をソナーのように注意深く動かし、浦原の陰から一心の様子を伺っている。
興味は津々。
だが、まだ時が早い。
三人の子の親である一心は、こんな時にどうすればよいか経験でわかるらしい。
急がず慌てず騒がず。
大きな声や動作で驚かせないように注意しながら「ん?」と短く声をかけてやる。
一心にしても、この可愛い仔猫とはぜひともお近づきになりたいのだろう。
するとしばらくして「おや?」と浦原が呟いた。
自身の着物をつかんでいた仔猫の手に、ほとんど力がこもらなくなっていたことに気付いたようだ。これは、すでに警戒モードを解いたも同然ということか。
ならば、あと必要なのは、信頼できる者の後押し。
「修兵クン、大丈夫ですよ。この人ねぇ、黒崎一心サンっていうんです。見た目はちょっと怖いかもですけど、優しい人です」
「ん…にぁ……」
にこりと笑った浦原の言葉に応じてあがる、鳴き声。
そして小さな手が、そぅっと伸びていく。
その意図を察した一心が、人差し指を差し出す。
すると、すぐに接したやわらかい手。それをちょんちょんとつつきながら「はじめましてだな」と言うと、仔猫はそっと一心の指を握って「にゃぁん」と鳴いた。
その顔が、安心したような笑みに包まれていたことを確認した一心は、「ほれ、こっちにくるか?」と、あいていた片手で、ぽんと己の膝をたたいて見せた。
「抱っこしてやるぞ、抱っこ」
「んにー…?」
見ようによっては、拳西に雰囲気の似ている一心。しかも子供の扱いは慣れたもの。
となれば、仔猫が一心になつくのは、もはや単なる時間の問題だったようで、十分もしてみれば、すっかり巣―――もとい、くつろぎ場所を浦原の膝から一心のそれに変え、ご機嫌な様子で鳴く修兵がいたわけで。
「おぉー、さーすがっすねぇー」
「そりゃーなぁ。一応、三児の父だぜ?」
「確かに……さて、これからどうします?」
「というと?」
「いえねぇ、何か用事があるなら話は別なんですが、もし急ぎの用事がないんでしたら、アタシはちょっと地下にいってこようかと」
「何だ。また妙なもんの開発か?」
「いやっすねぇ、それだけが専門じゃないっすよぉ」
そういって、ぺしんっと扇子で自身の頭を叩いて見せた浦原は
「実は、最新の霊圧補足機を開発中でしてね。伝令神機に組み込める、より高性能で小型のものを上はご所望みたいなんすよ。まぁ、急ぐ仕事じゃないんすけど、せっかく一心サンが修兵クンをあやしてくれてることっすし……」
「ふーん、そういうことか。オレは別にかまわねぇが…でも、良いのか?」
「?」
「いや、ほれ……なんつーか、無茶無茶可愛いじゃねぇか、この子。オレだったら一分一秒でも長く側にいてぇって思うからよ」
「はは。幸いにしてアタシは、修兵クンによく会えますから。ねぇ?」
「みゃーぅ!」
「ほらね」
「なるほど。それならついでに―――というと妙だが、借り出すことはできるか?」
「修兵クンをですか?まぁ……六車サンは今日は一日、現世任務っすから、夕方までにここへ連れてきてもらえれば構いませんが……何するつもりで?」
「んー?オレんちに連れてくんだよ。ここじゃ、満足に駆け回ったりもできねぇだろ?腹も減るだろうから飯も食わせてやりてぇし」
「おやまぁ。何ですか、まるで父親そのものっすねえ。多少親馬鹿のきらいがありますが……つくづく残念なのは、それが黒崎サンへはむいていかないことっすか」
「あいつにはあいつなりに親馬鹿してるさ」
「愛のムチってやつっすかぁ?やーれやれ」
「んなことより、いいのか悪いのか?」
「そーっすね。他ならぬ、一心サンが一緒なら特に問題ないっすかね。六車サンには、アタシから連絡入れときますよ」
「頼む。あと、何かタオルケットみたいなもん貸してくれ」
「何かにお使いで?」
「お使いだから借りてぇんだっての。まぁ、こりゃファッションだっていえねぇこともねーけど、隠して運ぶに越したこたぁねーだろ。オレも今、死神化してねぇから瞬歩はつかえねぇし」
そう言って、仔猫の尾と耳を指し示した一心に、あぁと浦原がうなずく。
「そーいうことっすか」
「そういうことだ。修兵は不本意だろうが、病人の振りして連れ帰っちまうのが一番手っ取り早い。一応、オレ医者だしな」
「そりゃまた名案。えー…っと、じゃあ……これでいいっすかねぇ?」
「おう、サンキュ。ほら、修兵、こっちに来い」
「みゅ?にゃーむぅ」
常日頃、拳西の隊長羽織に包まっている修兵。たとえそれが、拳西の羽織でなくても、猫の習性なのか子供特有の本能なのか、ばふっとタオルケットにダイブ。
それを手際よく包んで、ぱっと見、乳飲み子のようにしてしまった一心は「よっこらせ」と仔猫を抱いて立ち上がった。
繭のように身体を包まれてしまった修兵は、けれど安心したように「ふぁ」と一鳴き。
「……こりゃぁ」
「はい?」
「いや。合縁奇縁腐れ縁とはよく言ったもんだな、と思ってなぁ……」
「あーのー……言っておきますけれど、六車サンがその子を手放すことは絶対に……」
「わーってるって。莫迦息子の嫁さんには過ぎる器量だよ」
「はは。あ……知ってたんすか、その事」
「まーな。父親に隠し事なんて一万年早いっての」
「でも……じゃあ」
「心配すんなよ。あの息子は今日は朝からみっちり夏期講習だとさ。帰りは夕飯時だって言ってたから、鉢合わせることはねぇだろ」
「それなら一安心です。なにせ、その姿の修兵クンにはまだ一度も会ってないもんでね。ま、普段の黒崎サンは暴走するタイプじゃないっすけど、やっぱねぇ……コレは反則っすからね」
「そうな。正直オレもぐらっと来た。四人目の子供ってのも悪くねぇってな」
「それこそ六車サンに張り飛ばされますよ。ですから……必ず夕方六時までにはここへ連れてきて下さいね。アタシもまだ修兵クンと仲良くしたいんっすよ」
「……りょーかい」
つまり、拳西の心証を悪くするような真似は絶対してくれるなということだな。そう察しながら、一心は仔猫を抱いて立ち上がった。
「んじゃ、また夕方な」
「はい。お気をつけて。修兵クン、またね」
「んみゃーう」
■■■■■■■■■■■■
浦原商店からの帰り道、小さな仔猫は、しっかりとおとなしくしていてくれた。
夏休みの午前中、外出している人の数は決して少ないものではない。
タオルケットの予防策はとったものの、それも仔猫自身の協力が不可欠なもの。一心にしてみれば、実は少し冷や冷やしながらの帰宅だったわけだが、道中、仔猫は、ぴくりとも動かなかった。眠ってしまったのかと、途中で錯覚したくらいだ。
まるで、こちらの考えを理解しているかのようだったと思う。
優秀で美人と名高かった九番隊副隊長、姿形は違えども、備わっていたものには変わりがないのだろう。
つまり―――賢いのだな、元々。
一心はそう思いながら、無事に着いた自宅の床に仔猫を放してやった。
「ほら、もう好きにしてていいぞ?」
「ふにゅぁー?」
とてとて、と小さな足が動く。
所用で何度か黒崎家にはお邪魔したことのある修兵だったが、この姿になってからは、初めてのご訪問だ。
尸魂界にある護廷十三体のどの部屋とも違う、現世に残してある拳西の部屋とも違う、ましてや浦原商店とはさらに違う。
特に、壁に飾ってある一心の妻―――つまり一護の母―――の写真パネルには圧倒されたようで、その前で止まってしばし……
「みー……」
「おう。どーだ?オレの嫁さんだ」
「にぃぁん?……みゃぅん?」
「あぁ。そうだな、六車にとってのお前さんだ」
「ぅ?……ゃぅーぅ」
仔猫は、どうやら照れたらしい。
くるりときびすを返してこちらへ走り寄ってくると、ぎゅぅっと足に抱きついてきた。甘えるような鳴き声がして、尻尾がくるりと丸くなる。
「なーんだ、なんだ。甘えたっ子なんだなぁ」
口ではそう言いつつ、懐いているとしか言いようがない動きに、当然、一心は嬉しそうだ。
拳西や喜助に対抗心はない。
あるとすれば、息子に対する対抗心か。
今日、ここにこの仔猫が来たことは、確実に浦原から知らされるだろう。しかも、そうとう懐いてくれたという付加情報とともに。
子は親を超えていくもの。
しかし、そうは言いつつも……一心にとってみれば、一護は永遠のライバルなのだろう。
頭を撫でてやると、みにゃみにゃと鳴いた仔猫はいかにもご機嫌そうである。
―――と、不意にその鳴き声が止まった。
「……み?」
「ん?……どした?」
ぴこりと動く耳。ぴん、と立った尻尾。
先ほど、自分に見せたような警戒モードに似たそれに、一心も思わず眉根を寄せる。
この姿であっても、もとは有能な死神だ。虚の気配を敏感に感じ取っても不思議はない。しかし、怪しい気配など、何も感じられないのだが……。
はて、と首を傾げた一心が、仔猫の様子を伺うと、はた、と何かに気づいたらしい修兵がぱっと駆け出した。どうしたと問う間もなく、修兵が駆け込んだ先―――ソファの影から立て続けに叫び声が上がる。
「にぁぁー!……んにゃっ!!」
「ふぎぃぃぃぁぁぁぁぁぁ!!」
前者は修兵。
では、後者は……?
「修兵、一体何がっ……あ、なんだ、お前か」
「お、ま、え、か、じゃねぇぇぇぇ!助けろ、一心!」
「はみゅー……!」
どうやら、一心が懸念していたような事態ではなかったらしい。
ご機嫌な顔で修兵が全力抱擁しているのは、ライオンのぬいぐるみ…もといコンであった。
今も一護の家に居候中のコンは、一心が帰宅した気配に根城の二階から降りてきたらしい。
大方、何か食べ物でも貰いに来たのだろう。
ところが、そこに珍客がいたわけである。
猫の耳と尾が生えた子ども ――― 一体アレは何だと様子を伺っていたところ、逆に修兵に見つかった、と。
ついでに言っておくと、痕は修兵にダイブされた後、現在ぎゅぅぅぅぅっと抱きしめられている真っ最中。ちなみに修兵、こう見えてもぬいぐるみを抱き潰すくらいの力はある。
「でるっ、でるでる、中身でちゃぅぅぅぅ!」
「あみゅぁぁぁー……」
「ふぅ…やーれやれ、仕方ねぇなぁ……」
一心からしてみれば、修兵の今の喜び様は、玩具を見つけた子どものそれと同じもの。
素直な感情表現は、微笑ましいの一言だ。
ただ、まぁ……相手がただのぬいぐるみではないところに、事態のややこしさがあるわけで。
しかし、ここで口からモッドソウルが飛び出ては、また要らぬ事態を招きそうだ。
年の功がもたらす勘でそう判断した一心は、ひとまずコンを救出してやるかと、
「修兵、ほら、ちょっとだけ離してやってくれ。そうしたら、一緒に遊んでくれるぞ?」
そう言って、天使の輪がキラキラと光る黒髪を、くしゃくしゃと混ぜ撫でた。
「みぅー?…ふにゅ?」
「あぁ。お前となぁ遊びたいんだとさ。けれど、お前がそうしたまんまだと、ちょいとそれが難しいんだ。どうだ?離してやってくれるか?」
「ふ……あにゅぃ……」
ふむ、と考えた様子で自身が抱き込んでいるものを、仔猫が見つめる。
次いで、一心の言葉の意味を理解したらしく、腕に込めていた力を緩めた修兵は、ぐったりとしたコンを、そぅっとフローリングへと降ろしてやった。
「た、たしゅかっ、た……」
その途端、ぷきぅ、と音を立ててへばりこんだコンは、息も絶え絶えのご様子。
自分をこうした原因に、いつものように威勢だけは満点の怒鳴り声を上げようと思ったものの、それもままならないらしい。
否、どうも原因はそれだけではないようだ。
「みぅ……」
ぐったりとしたコンの姿に、すっかりしょげてしまった仔猫。
ごめんなさいと言うように、小さな手がそっとコンをなでていく。
「な、んだよ、お前……んな顔することは、ねーだろ…ぅが」
元気をなくした小さな仔猫に向かって、なおも怒鳴り散らせるほど、コンは非情なモッドソウルではない。むしろお人よしともいえる性質が強すぎて、いろいろな面で損をしているくらいだ。
そんなコンであるから、今も結局、修兵に何かを言えようはずもなく、なんとか立ち上がってみせると、泣くな泣くなと仔猫に言い聞かせた。
「お前が泣くようなこと、なんかあんのか?ねーだろ?オレ様はなぁ、そんじょそこらのモッドソウルとは出来が違うんでぃ!」
「ゅ……ぅ?」
「おう!だから、んな顔しねぇで、遊ぶぞ!なっ!」
「ふ……みゃぅっ」
力強いコンの声と明るく自分を励ますその言葉に、徐々に仔猫の表情が晴れていく。伏せられていた耳や尾を見ても、元気を取り戻していくのがわかった。
「ふーん……やるじゃねぇの、お前さんも」
「当ったり前だろ?オレはそれこそ、一護や赤パインや手芸眼鏡よりか、ずーっと人間出来てんだからな。そこんとこ、しっかり覚えとけよ!」
「へーへー……んじゃ早速、修兵と遊んでてくれや」
「ほへ?」
「ほへ、じゃねーだろ。遊んでやるんだろ?オレはこれから、飯の支度するからよ」
「飯って…今はまだ……」
「こんな風に小せぇ子ってのは、ちょいちょい腹空かすんだよ。どうせ、お前だって飯が欲しくて二階から降りてきた口だろう?」
「ぅ、……ま、まぁ、そりゃ……」
「オレも修兵と遊びてぇところだが、先に諸々やっちまってからにするさ……な、修兵?」
「はにゅ!」
「―――と言うわけだ、コン。三十分ばかし、相手してやっててくれや」
「ちぇ、しょーがねぇなぁ……」
「あみゅー……ぅ?」
「お、おい…!別に嫌ってわけじゃねぇよ!それに、オレは約束を破ったりしねぇ主義だ!わかったか?」
「ぁむ……ふにゃーぁ!」
「よし!んじゃ、何して遊ぶか?お前、テレビゲーム…は無理だよなぁ……」
「……にゃぁん?」
<後編に続く>
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